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いにしえに作成した『相棒』に関する所感、と呼ぶにはショボいコメを公開します。今回はseason2から4までです。
※ネタバレ防止のため、ドラマ未視聴の方はここまでにすることをお勧めします。
Season2
第1話 ロンドンからの帰還(SP)
「あれから半年。運転免許試験場勤務の薫に対し、浅倉が迷宮入りの毒殺事件についてコンタクトをとってきた。休職してロンドンにいた右京も帰国、二人の捜査が始まった」
第2話 特命係復活
(監察官・大河内春樹登場)
「謹慎処分にもメゲずに捜査を続ける二人はとうとう犯人のシッポをつかむ」
浅倉の騒動に始まって、ロンドンで休日を過ごすドリームな右京と運転免許係の現実的な薫との対比が面白い。手強い女子大生とのねちっこい対決ぶりもなかなかで、ディープな展開がいい。「売られたケンカは」の名ゼリフはここだったのね。それにしてもあの追い詰め方は違法捜査では?(苦笑)そんでもってコッシーお得意のタブーな動機だが、オヤジはいただけないし、やっぱキモイっしょ;
第3話 殺人晩餐会
「三ツ星レストランに赴く右京たち。食事の最中、もう一組の客の一人が殺された」
本格の王道・嵐の山荘的設定に期待したが、これってやっぱ無理があるのかな。名探偵コナンのようなノリに苦笑。
第4話 消える銃弾
(捜一トリオの三人目・芹沢登場)
「改造銃を使った殺人事件が発生。右京はかつて過激派活動に携わっていた男を訪ねる」
被害者の行き先を調べ上げ、銃弾を工夫するなど、知恵遅れっぽい女(こういう表現はマズイだろーけど)にあれだけの行動がとれるものなのかが疑問。
第5話 蜘蛛女の恋
「お見合いパーティーに参加した薫。一方、右京は神経内科の医師を訪ねていた」
犯人はひねってあったものの、ゲスト全体に気色の悪いノリが充満。パーティーでのイタミン(=地方公務員(笑))がキュート。
第6話 殺してくれとアイツは言った
「売れっこハードボイルド作家の爆弾発言をきっかけに、彼を警護する二人だが」
動機が描かれておらず、いくらか無理な部分もあったが、ファン投票ベスト10だけあって面白い展開だった。衝撃のラストは織田裕二の「振り返れば奴がいる」を彷彿。
第7話 消えた死体
「ヤミ金の取立て屋が金を貸した相手を訪ねたところ、死体となって転がっていた」
トリックからして犯人が限定されてしまう。ヤミ金ボスと右京の攻防の方が本筋より見ごたえがあったりする;
第8話 命の値段
「大企業の社長が人を殺したと自首。彼は息子を事故で亡くしたばかりだった」
身分違いの二人の息子が同じ釣り船に乗っていたという設定は都合よすぎ。
第9話 少年と金貨
「薫が出会った貴重な金貨を持つ父と子。父は古銭商殺しの犯人なのか」
少年と薫のほのぼの触れ合い以外はパッとしないかな……
第10話 殺意あり
「外科医の院長が自分の父親を手術中に医療ミスを犯す」
トリックはまあまあ。ゲストの有名子役二人のオヤジ化に時の流れを痛感;浅倉とすれ違うシーンは最終回への布石か。
第11話 秘書がやりました
「国会議員の蜷川が腹上死。秘書たちは彼の死を殺人に仕立て上げようとする」
いかに発覚するかの倒叙物とあって、犯人探しの醍醐味はイマイチ。
第12話 クイズ王
「要求に応じなければ公園にいる人々を無差別に狙うという犯人により、右京と薫は出されたクイズに解答するが」
無差別殺人に見せかけてターゲットを殺すという設定はいい。安易に殺し屋に依頼するのではなく、犯人自身の工夫で動機を隠すことができればもっと面白いものになった。
第13話 神隠し
「持ち物をあちこちに残して少女が失踪。誘拐されたかと騒ぎになる」
箸休めといった感じの内容。小物を身につける角田がプリティ。
第14話 氷女
「寒波到来で凍死者続出の朝、通常の凍死ではない不審な遺体が発見されて」
凝ったシチュエーション、複数の容疑者の存在と、本格らしい一編。右京さんのベスト2であり、狂志郎評価も○。タイトルに工夫が欲しい。
第15話 雪原の殺意
「売春容疑で薫が逮捕した女は道警から手配されていた。彼女を護送して北海道に飛ぶ薫」
第16話 白い罠
「襲われた薫、ホスト殺し、自殺に見せかけた刑事の他殺、めまぐるしく展開する事件の元凶は10年前の殺人事件だった」
せっかく北海道ロケに行ったんだからって、無理やり連続二話にした感じが歪めない;相方を裏切る刑事を皮切りに、登場人物全員の行動が突飛。薫ちゃんお気に入りのようだが、ノリ的には『はぐれ刑事』で、都会的で頭脳プレイを主とする相棒のパターンからははずれている。内村と中園が「交通費は出ない」を強調するのがウケた。
第17話 同時多発誘拐
「都内各地に住む小学生が誘拐され、それぞれ身代金が要求される。児童施設に派遣された右京たちは身代金を持った母親たちを追う」
警視庁あげての騒ぎになったわりには結末がショボい;まさに『大山鳴動して鼠一匹』。
第18話 ピルイーター
「特命係を訪ねてきた大河内は部下の心中事件を調査してくれと依頼」
これが噂の○○ネタ(笑)。いつその事実が噴き出すかと、別の意味でドキドキしてしまった。いつも不機嫌でクールな表情を崩さない大河内が人知れず流す涙にうるうる。貴腐人にはお薦めの一編。
第19話 器物誘拐
「誘拐事件発生、さらわれたのは飼い犬だった」
被害者の態度に一貫性がない。タイトルはGood。
第20話 二分の一の殺意
「歩道橋で男を突き飛ばした犯人は双子の片割れだった。互いにアリバイを主張する姉妹に右京が取った手段は」
ミステリではよく使われる双子ネタだが、面白い手法に感心。ラストのエピソードはない方がよかった。
第21話 私刑(SP)
(法務大臣・瀬戸内米蔵登場)
「記憶を失った浅倉が独房で自殺するが、右京はその死に疑問を抱く」
浅倉の最期を扱っているが、いくら殺人犯とはいえ、あまりにも理不尽で憐れな感じ。
Season3
第1話 双頭の悪魔(SP)
「議員の沢村が自殺。第一発見者は官房長官の朱雀だった。一方、クセモノ記者の鹿手袋が暴漢に襲われるが、なんと美和子は彼とつき合っているという」
第2話 双頭の悪魔Ⅱ
「官邸に仕掛けられた盗聴器の一件から鹿手袋が何らかの情報を握ると確信する右京。また、雛子と朱雀の関係を隠すために働いた秘書が自殺を遂げて」
第3話 双頭の悪魔Ⅲ
「ついに事件の核心に迫る右京は容疑者たちに揺さぶりをかける」
ひとクセもふたクセもある議員たち&鹿手袋VS右京のねちねちした攻防戦こそ相棒の醍醐味! 雛子の悪女ぶりも際立ち、米沢のセリフ(リサイクル)やらイタミンの写真ネタもさえていてバカウケ。やっぱり相棒はこうでなくっちゃと思わせるスペシャル。
第4話 女優~前編~
「女優の夕月はマネージャーと共謀し、強盗に見せかけて内縁の夫である脚本家を殺害。所轄にいた薫は海音寺の命令により、免職になった右京と組んで調査に乗り出す」
第5話 女優~後編~
「疑惑の真っ只中、マネージャーとの結婚を発表する夕月。天衣無縫な振る舞いに振り回される人々の中にあって、右京は彼女の真意を読み取ろうとする」
倒叙物形式をとっているが、その枠を超えた面白さの要因はやはりキング・オブ・タブーの(笑)コッシーならではの動機にあり。1~5話を通して、薫と美和子の別れをストーリーにうまく絡めてあるのもいい。竹中直人演じる海音寺がナイスキャラ。
第6話 第三の男
「特命係に配属された経理係?の陣川は捜査をやりたくてうずうず。宝石強盗犯に似た女を張り込もうと提案してきた」
米沢の言うように『瓢箪から駒』な話だが、それなりに味わいはある。ただし、ストーカーがいなければ罪をなすりつける作戦は成り立たなかったのではという疑問が。
第7話 夢を喰う女(欠番)
第8話 誘拐協奏曲
「通販会社に前社長を誘拐したという脅迫電話がかかってきた」
ミステリというよりは人間の愚かさを扱ったヒューマンドラマっぽい?
第9話 潜入捜査(SP)
「公安の刑事が失踪。当局にマークされている青年社長の身辺を探るため、小野田の指示を受けた特命の二人が潜入捜査を開始した」
よく練られた伏線は見事。ラストの豪華さは「ありかよ?」だが、ドラマゆえの演出は必要とみた。主要人物が限られてしまうため、犯人がすぐわかってしまうのも仕方ないか。
第10話 ゴースト
「売れっ子小説家にはゴーストライターがいた」
担当作家に入れ込む編集者がレズっぽくてキモい。同じレズネタでもS4の方は衝撃的で描き方も良かったのだが。
第11話 ありふれた殺人
「殺人事件で時効を迎えた犯人が何者かに殺された」
本筋が重すぎ、トリックや真犯人は付け足し。ファン投票ベスト2が信じられない。
第12話 予告殺人
「無差別殺人を予告する電話で街は大パニック」
タクシー運転手が現場の近くで仮眠をとっているという、明らかに怪しくて不自然な状況に気づかない人々がおかしいと主人が苦言を(笑)。
第13話 警官殺し
「評判の警官が殺され、以前薫を人質にとった男が犯人と目されて」
これもヒューマンドラマっぽいっつーか、本格の規格にはずれていてイマイチ。
第14話 薔薇と口紅
「麻薬の売人が殺された。ヒントは女子高に」
ロケ先のバラ園ばかりが気になって(苦笑)。やっぱ女子高生はキライ。
第15話 殺しのピアノ
「有名なピアニストが殺害され、疑いは彼の妻と調律師に向けられた」
トリックはたいしたことはないが、本格らしい雰囲気が好み。ピアノを弾く右京のお宝影像が拝めるのもいい。
第16話 人間爆弾
「元取立て屋が身体に爆弾をつけられ、現金輸送車強盗を命令された」
元取立て屋再々登場。薫を気遣うイタミンにドキドキ。
第17話 書き直す女
「舞台の脚本家が殺害される。主演女優の心理は」
トリックのパターンが自作に似ていて親近感をおぼえた。芝居がかったラストも○。
第18話 大統領の陰謀
「トランク詰めの女の死体が発見される。ホームレスたちとの関わりは」
どこまでいっても憐れな浅倉は気の毒。大統領(きたろう)がイイ味を出していた。
第19話 異形の寺(SP)
「池の淵で幽霊を目撃した薫が水の中をさらったところ白骨を発見。復元された遺体の顔は幽霊の掛け軸がある尼寺の尼にそっくりだった」
世の中のタブーに挑戦し続ける相棒らしい(とゆーか、タブーはコッシーのオハコなんだが(苦笑))トランスジェンダーを扱った一編。異様な世界に引き込まれてしまった;
Season4
第1話 閣下の城(SP)
「右京と薫、美和子は小野田たちと共に、閣下の別荘に招待されるが、そこには閣下の身の回りの世話をするために雇われた男女二人がいた」
西洋の城を移築した別荘に美しい秘書と執事、甲冑を使った殺人事件と、一歩間違えればお笑いになりかねないシチュエーションの元、本格の香り漂うダークな一編はさすが。ギャグシーンも忘れていないサービス精神もGood。
第2話 殺人講義
「大学で助手をしている女性の自殺を疑う管理人の依頼に薫が動いて」
紅茶を使った毒物のトリックはイマイチだが、右京にとって手強い敵となった心理学教授との攻防が見物の一編。劇中で語られている通り、やり方がスマートじゃなかったかな;薫の毛ガニ発言に爆笑。
第3話 黒衣の花嫁
「捜一トリオの若手・芹沢の友人が結婚式の前夜に殺された」
いつもと違うシリアスな顔を見せる芹沢の魅力と、パターンは違うが、オリエント急行殺人事件を彷彿するラストの展開にドキドキ。しかし真の動機とその被害者の扱い、何より出来すぎた花嫁に不満。あんな女はいない、美和子の意見に思わず賛成。
第4話 密やかな連続殺人
「川に上がった死体には片方しかピアスがなかった。過去の事件からこれが全国をまたにかけた連続殺人だと見抜いた右京が動く」
第5話 悪魔の囁き
「犯人と目されていた元予備校講師がすべてを自白して自殺。だが、全部の事件が本当に彼の犯行だったのか疑問を抱いた右京たちは調べを進めて」
猟奇殺人はホラーの領域としても、クセモノ揃いの容疑者たち、オカルトな雰囲気が漂う展開は横溝ワールドを彷彿。あのお兄さんは風林火山に……最後まで気づかなかった;
第6話 殺人ヒーター
「嫌われお局OLが放火によって死亡、と思えた事件が別の展開を見せて」
ころころと展開が変わるため、ついていくのが難しかった作品。含みのあるラストは良かったけど。秀吉(by天地人)にはすぐ気づいたよ(笑)。
第7話 波紋
「大学生が大金を拾ったと届け出たことから次々に殺人事件が」
展開に無理がなく、まとまっていると感じた作品。噂のあんパン・カツ丼論争は(笑)。
第8話 監禁
「和製ホームズと評判の右京と間違えられた薫は女に監禁され」
ファン投票ベスト9や薫ベスト3に反対するわけではないが、こーゆー話はキライ。
第9話 冤罪
「?」
BSで観そびれたものの、改めてレンタルして観る気になれなかった;
第10話 殺人生中継
「朝の天気リポートの最中に叫び声が」
トリックは凡庸だが、動機がタブー系(笑)。
第11話 汚れある悪戯(元旦SP)
「女性銀行員誘拐、五億円の身代金が要求される。続いて起こった資産家の息子の誘拐。二件は被害者二人の共犯で狂言だと見抜いた右京は」
狂言誘拐事件の経緯にアブノーマルな感情が絡んでくるあたり、やはりコッシー(笑)。ここでついに、薫が美和子にプロポーズ。返事は彼女の帰国後へと持ち越し。
第12話 緑の殺意
「レストランのオープニングパーティーの席でオーナーが階段から転落」
聞いただけで思い込むって、無理があるのでは? 狂志郎ワースト1作品。
第13話 最後の着信
「麻薬の売人が殺された。彼の持つ三台の携帯電話は何を意味するのか」
警察関係者は裁かれないといった理不尽さは時折見受けられるが、またしても肩透かしを食らったような展開はどうよ。被害者に同情できず、加害者が気の毒。角田チームVS捜一の抗争?が可笑しい。
第14話 アゲハ蝶
「新種の蝶の標本を巡って起こる殺人。果たして蝶は環境汚染による畸形なのか」
蝶マニアネタに企業の環境問題を絡めるという、視点がブレた作品;マニア役のキレた演技だけが光っていた。
第15話 殺人セレブ
「セレブな奥様から物をせびってはフリマで売りさばいていた主婦が自宅で殺害」
セレブという言葉が流行った時の話か? いかにも女の脚本家が書きそうなネタ。
第16話 天才の系譜
「右京の姪の花が来日。海岸に打ち上げられた死体を巡って捜査に首を突っ込む」
ミステリとしてはつまらない内容だったが、右京と同じDNAの持ち主である花に対して、周囲の引き気味な反応にメチャ受け。右京自身も自分のコピーである彼女に閉口、薫のそれ見ろと言わんばかりの態度も最高。
第17話 告発の行方
「ルポライターが死体で発見。彼は現職大臣の過去の汚職事件をつかみ、雑誌に載せようとしていたが」
本格物でもたまにある自殺オチだが、個人的にはガッカリさせられて×。
第18話 節約殺人
「節約カリスマ主婦はたまたま目撃した殺人を利用し、夫の殺害を図る」
トリック等は平凡だが、リンゴの皮をむく右京やら、オバチャンと同調したり牛乳を試飲したりする薫など、レアなシーンの連続がウケた。
第19話 ついてない女
「過去に夫を殺されたと知った女は愛人である暴力団員を殺害し、海外逃亡を企んだ」
ファン、右京、薫共に評価の高い作品とあって期待していたが、倒叙物かつ気の毒な犯人が追いつめられるパターンは苦手;
第20話 7人の容疑者
「映画の撮影所に爆破予告の電話が。だが実際に起きたのは殺人だった」
怪しい人物多数の本格っぽい犯人探しに期待大……が、尻すぼみな運びに落胆。
第21話 桜田門内の変(SP)
「逮捕した殺人犯が所持していた青酸カリ。鑑識に保管されていたこれを使った殺人の連発に警視庁内は大混乱に陥る」
一人を三人が狙ったがために起きるテロ騒ぎと、その矛盾に着目する右京の明晰さが際立つ一編。動機の設定もいい。イタミンと薫のエキサイティングなやりとり等、笑いのツボもバッチリ。惜しむらくは狙っていた相手のお菓子を犯人が食べるという、御都合主義かな。三人目の犯人である看守の存在は必要ない気もする。
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これにてSeason4まで完了。Season23が始まる迄に残りをUPしますね。