エドガー・アラン・ポーの命日である10月7日はミステリー記念日。今年は綾辻先生が各自のベスト5をUPしようという #マイ・ベスト・ミステリーを5作 というタグを作成してくださったので、それに乗っかってツイしてみました。
#ミステリー記念日#マイ・ベスト・ミステリーを5作
— 狂志郎 (@smakichi2010) 2021年10月7日
悪魔が来りて笛を吹く
刺青殺人事件
不連続殺人事件
暗黒館の殺人
双頭の悪魔
上三作の表紙の状態が良くないですけど添付してみます😅 pic.twitter.com/FQWGpddv39
横溝先生の『悪魔が』綾辻先生の『暗黒館』有栖川先生の『双頭』についてはこれまでにも何回か触れていますが、あとの二作に言及するのは今回が初めてじゃないかな。じつはオラにとってのミステリー№1は坂口安吾著『不連続殺人事件』です。
この作品の何が凄いかと言うと、驚きのトリックだの不可解な死に方だのではなく、ミッシングリングでも見立てでもない「心理の足跡」に尽きる。この言葉は作中の探偵役・巨勢博士が使ったのですが、虚を突かれたとはまさにこれだと。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、注意しているようで見過ごしていたシーンがアッと驚く仕掛けになっていたというやつです。
そもそも坂口安吾先生は純文学が専門の作家で「難解なトリックを使わなくても面白いミステリーは書ける」を自ら示した作品ということで、トリックなんぞ思いつかないくせに、厚かましくもミステリー作家を目指していた自分にとっては、こういう作品を書いてみたい、御手本にしたいと思っていました。
この『不連続』、昔々映画化され、また、かなり前にドラマにもなったのですが(巨勢博士役は野村宏伸氏)すっかり忘れ去られた作品になっている感が。是非ともリメイクして欲しいなぁ。
高木彬光著『刺青殺人事件』は金田一耕助、明智小五郎に続く日本の名探偵ビッグ3の三人目、神津恭介デビューの作品です。犯人はなぜ死体をバラバラにしたのか? 隠すためではなく、もちろん猟奇的でもない。この謎の理由の合理性にいたく感心させられました。
ドラマ化されたのがまたまたかなり前で、神津恭介役は近藤正臣氏。もうイメージ通り、古谷一行氏の金田一と並んで、最高のキャスティング。相棒・松下研三役の大和田獏氏もバッチリでしたね。『刺青』ではなく別の神津作品が近年ドラマ化された時は片岡愛之助氏が神津役を務めたんだけど、ちょっと合っていなかったな。ならばどなたがいいのか、考えるのも楽しいかもと言いながら、毎度何も考えていないんだけど。